ゲームやアニメのキャラクターの衣装を着て撮影や交流を楽しめるコスプレは、非日常を感じられる趣味。
しかしコスプレ界隈には、初心者さんにとって少し分かりづらい暗黙のルールが存在しています。
暗黙のルールは、参加者全員が気持ちよく活動するための大切なマナーです。
なぜ暗黙のルールが存在するのか気になったコスプレ初心者の方も多いのではないでしょうか?
本記事では、コスプレ界隈で知っておくべきマナーや配慮を『基本編』『交流編』『SNS編』の3カテゴリに分けて、初心者さんにも分かりやすく解説します。
【目次】
まずは基本のルールを押さえておきましょう。
イベント会場へコスプレ姿で移動すると、
ケースが考えられます。
イベントの規約でも、コスプレ姿での入退場は禁止されています。
必ず、指定された場所の更衣室で着替えるようにしましょう。
更衣室が狭い・待ち時間が長いからといって、トイレでの着替えも避けましょう。
トイレはコスプレイヤー以外にも、多くの人が利用する公共スペースです。
着替えによる長時間の占拠や汚してしまうと、他の利用者の迷惑です。
盗撮トラブルに巻き込まれるリスクも高まりますので、絶対に避けてくださいね。
イベント会場ごとに、コスプレができる範囲や撮影が許可されている場所が決まっています。
会場の案内マップや公式サイトに掲載されている注意事項をしっかり確認し、指定されたエリア内でコスプレを楽しむようにしてくださいね。
一般の方が多い場所や、イベントの運営に支障が出る場所でのコスプレや撮影は控えましょう。
コスプレイベントや専用スタジオ以外でコスプレ撮影をする場合(ロケ撮影)は、事前に施設や土地の所有者や管理者に許可を取りましょう。
無許可での撮影は、不法侵入や営業妨害といった警察沙汰になる可能性があります。
撮影中はつい夢中になりがちですが、常に周囲の状況に気を配り、通行人の邪魔にならないよう配慮が大切です。
大声を出す、場所を占領するといった行為もしないよう注意してくださいね。
SNSにロケ撮影の写真を投稿するときは、施設や個人が特定できるような具体的な撮影場所を明記するのは避けましょう。
場所が特定されると、
可能性があります。
キャラクターになりきるコスプレは、ただ衣装を着るだけでなく、細かいところにまでこだわりを持ち、よりキャラクターに近づこうとする姿勢が好まれます。
キャラクターを再現する姿勢は、キャラクターへのリスペクトを示す姿勢として、多くのレイヤーさんから好意的に受け止められます。
キャラクターの髪型を再現したウィッグ、顔立ちを近づけるメイク、足元までキャラクターらしい靴を用意すると、より完成度の高いコスプレが実現できます。
カラーコンタクトレンズもキャラクターらしさを高めるアイテムです。
ただし、体質に合わない場合は無理をする必要はありません。
カラーコンタクトレンズの使用が難しい部分は、写真の加工で補うのも一つの方法です。
大切なのは、コスプレを通してキャラクターへの愛を表現しようとすることですね。
見た目はもちろん、キャラクターのイメージを壊さないことも気を付けたいポイント。
テーマパークや公園のようなイベント会場には、一般の方も来場しています。
子供たちの好きなキャラクターのイメージを損なわないよう、キャラクター姿での喫煙や飲酒、不適切な言動は控えましょう。
「捏造衣装」とは原作には存在しない、ファンが個人的にデザインした衣装のことです。
イベントでは、原作通りのコスプレ衣装が好まれます。
捏造衣装は、他の参加者を混乱させたり、キャラクターのイメージを損ねたりする可能性があるので、避けるのが無難です。
捏造衣装を楽しみたい場合は、イベントではなく個人的な撮影で楽しむのがおすすめです。また、SNSに投稿する際も「捏造衣装」と明記しておくと良いでしょう。
ただし、元が同人作品の東方Projectのコスプレは、フリルやリボンを増やしたアレンジや捏造衣装は好まれています。
他のコスプレイヤーがどんな楽しみ方をしているのか、コスプレに挑戦する作品やキャラクターで事前にチェックしておくと安心です。
各コスプレイベントでは、参加規約や注意事項が定められています。
特に注意したいのが、
1)軍服
2)血のりや傷あと
3)小道具
4)過度な露出
です。
1)現実には存在しないデザインや明らかにコスプレ用途のために作られたものを除き、軍服はイベントでの着用は禁止されています。
反社会的な衣装や政治的思想を彷彿させる軍服の着用は避けましょう。
軍服は衣服だけでなく、国旗・帽子・徽章・腕章・階級章のほか、模造刀・モデルガン・手りゅう弾・手裏剣といった武器系小道具も含まれます。
2)血のりや傷あとは、来場者を驚かせてしまうだけでなく、イベント会場を汚してしまう可能性があります。
会場はコスプレイヤーだけのものではありません。
血のり・傷あと・弾痕・焦げ跡のアレンジは避けましょう。
3)イベント会場に本物の刃物を小道具として持ち込むことは禁止されています。
武器の形状をした小道具は、周りの人やイベント会場を傷つけない素材(ダンボール・ウレタン・プラスチック・発泡スチロールのような柔らかい素材)であれば持ち込むことができます。
会場内で、必要以上に振り回さず、他人に向けて武器を構える姿勢は控えましょう。
素材をクリアしていても、持ち込める小道具の最大サイズが決められている場合があるので注意が必要です。
4)過度な露出は、以下のようなものがあげられます。
胸元やお腹部分が大きく露出する場合、ボディーファンデーションの着用が義務付けられている場合もあります。
イベントに参加する際は、必ず公式サイトで公開されている規約や注意事項を確認しておきましょう。
規約を読んでも不安な場合は、イベントの運営に問い合わせておくと安心です。
写真映えする撮影スポットは、多くのレイヤーさんやカメラマンさんが利用したいと考えています。
イベント会場の限られたスペースを皆で気持ちよく利用するため、順番を守り、長時間の占有は避け、お互いに譲り合いの精神を持ちましょう。
楽しくコスプレ撮影を行うため、周りの人への配慮も忘れずに。
更衣室は窓のない環境の上、周りの人との距離が近いため、スプレー類の使用は控えましょう。
ヘアスプレーや制汗スプレーは、アレルギーを持つ方や喘息の方に影響を与えるだけでなく、他の人の目に入るといったトラブルにつながる可能性があります。
引火性の高い製品は火災の原因になるリスクもあるため、更衣室での使用は避けるのがマナーです。
更衣室はその名の通り、着替えを行う場所です。
下着姿になるタイミングのある更衣室での写真撮影は、盗撮やプライバシー侵害につながるため禁止されています。
規約で、更衣室でカメラやスマホを出すことを禁止しているイベントもあります。
イベント会場の更衣室は、温泉の脱衣所と同じです。
自分の姿はもちろん、周りの人の姿も絶対に撮影しないようにしましょうね。
ほかのレイヤーさんやカメラマンさんとの交流時にも暗黙のルールが存在します。
イベントで素敵なレイヤーさんを見つけて写真を撮りたくなっても、いきなりカメラを向けてはいけません。
必ず「お写真を撮ってもよろしいでしょうか?」と声をかけ、許可を得てから撮影するようにしましょう。
無許可での撮影は失礼にあたるだけでなく、トラブルの原因にもなりかねません。
コスプレはあくまで趣味の範囲での活動です。
レイヤーさんやカメラマンさんとの交流の中で、相手のプライベートな情報(本名・住所・連絡先・職業)を詮索することは控えましょう。仲の良いコスプレイヤー同士でも、本名を知らないことは珍しくありません。
プライバシーを尊重し、心地よい関係を築くことが大切です。
多くの人の注目を集める可能性があるSNSだからこそ、しっかりと暗黙のルールを守る姿勢が大切です。
コスプレ写真をSNSに投稿する際、原作の公式ハッシュタグ(アニメの公式略称タグも含む)を付けるのは避けましょう。
公式タグが作品の公式情報やイベントの告知に使われることが多く、コスプレ写真が混ざると、情報の混乱を招いてしまいます。コスプレは著作権的にグレーな部分があり、公式サイドからも黙認されているというのが現状です。
作品の著作権元がコスプレ活動を公認していない場合もあります。
コスプレ写真を投稿するときは公式タグではなく「キャラクター名+コスプレ」や「作品名+コスプレ」といった、ファンが利用する非公式のタグを使用するのが一般的ですね。
実在の近代文豪を取り扱う作品のコスプレ写真は、
することが推奨されています。
コスプレを知らない人や純粋に文豪の作品を調べたい人がタグを使って検索したときに、びっくりさせない・検索の邪魔をしないようにするという配慮から生まれた暗黙のルールです。
SNSにコスプレ写真を投稿する前に、他のコスプレイヤーがどんなタグを使っているのかチェックしておくと安心です。
他のレイヤーさんと一緒に写った写真をSNSに投稿する際、写真に加工(美肌加工・顔の造形加工・体型補正)を施す場合は、相手に確認を取りましょう。
加工ありきでコスプレを楽しむ人、加工を好まない人のどちらもいるので、相手の意向を確認しておくことが大切です。
イベントでカメラマンさんに撮影してもらった写真をSNSに投稿する際は、カメラマンさんをタグ付けして紹介するケースが一般的です。
ただし、タグ付けする前に、カメラマンさんに「タグ付けしても良いですか?」と確認を取るのがマナーです。
カメラマンさんによっては、特定のSNSアカウントへのタグ付けを希望したり、別のアカウントへのタグ付けを禁止していたりすることもありますので、必ず確認しておきましょう。
コスプレ界隈の暗黙のルールは、わずらわしいと感じるかもしれません。
しかし、暗黙のルールはコスプレをより安全に、より楽しくするために存在しています。
大好きな作品にネガティブな印象や迷惑をかけたくないと考えているコスプレイヤーがほとんどです。
暗黙のルールを守る姿勢は作品へのリスペクトにもつながり、他のコスプレイヤーからも好印象を受けやすく、コミュニケーションも円滑になります。
少しルールが多いと感じるかもしれませんが、一つずつ意識していけばすぐに慣れますよ。
疑問に思うことがあれば、イベントの運営スタッフや先輩レイヤーさんに尋ねてみるのも良い方法です。
コスプレを通して、素敵な思い出をたくさん作ってくださいね!